さくら日本語・日本文化普及キャラバンの案内

Ⅰ.目標

①日本語学習者の増加をめざす。

②高校生が日本語学習や日本文化に興味を持ってくれるよう、日本文化紹介および楽しい日本語レッスンを行う。

③日本語学習を身近に感じてもらうため、学生(日本語学習者)が日本語学習体験談を語る。

④高校卒業後の将来計画の参考にしてもらうため、各機関のパンフレットやチラシを配布する。

Ⅱ.実施の概要

【実施日】5月~6月の土曜日(午前中)

【実施対象校】10校(高校)

【実施時間】2時間程度

【実施形態】1チームが1校を訪問する。

【プロジェクトリーダー】王立プノンペン大学外国語学部日本語学科長 ロイ・レスミー

【チーム・メンバー】5名+α(お手伝い、見学)

【協力機関】RULE, CJL, CMU, CJCC, Nagasaki School

Ⅲ.実施内容

1.日本文化体験 45分 

  ①歌  ②折り紙  ③日本の高校生の生活紹介

2.日本語学習体験 30分 

3.日本語学習者の体験談 10分 担当:学生(卒業生、在校生)2名

  ①日本語を学ぶ動機 

  ②体験報告(日本語学習、日本人との交流、日本でのホームステイ体験、仕事)

4.お知らせ 5分 担当:チーム・リーダー

5.質疑応答 20分 

実施時間:9:0011:00

持参機器:CDプレイヤー、プロジェクター(高校にない場合)、コンピュータ、スピーカー

持参教材:新聞紙、折り紙、歌詞シート(ローマ字)

衣装:はっぴ


主催:王立プノンペン大学(RUPP)

共催:在カンボジア日本国大使館

2011年7月1日金曜日

チーム12 Hun Sen Kampong Chark 高校(2011/06/25)

☆メンバー

1. チーム・リーダー:チャン・チャンダラー(RUPP教師)

2. サブリーダー:セン・ヴォティー(CMU教師)

3. 学生代表(卒業生、発表者1):リム・プンロック(Forval Cambodia勤務)

4. 学生代表(学生、発表者2):ヴェン・ティエルン(HONGO TSUJI TAX & ACCOUNTING勤務)

5. 学生サブ(高校出身者):バン・プラタナー(RUPP学生)

6. 日本人:小島夢香(CMU教師)

7. 学生アシスタント:大関辰海(CMU留学生) 、コーチ・ソソピエ(National Bank of Cambodia

8. その他:久保田光広(日系企業、歌の指導)、杉山純子(RUPP教師、写真)

☆訪問高校

Hun Sen Kampong Chark High School

参加高校生数80

☆時間

出発時間:5:30 

高校到着時間:8:30

1.日本文化紹介

①折り紙(かぶと、ツル)   

②歌(あしたはわたしのたんじょうび)

③エリン(装飾携帯電話、あっちむいてホイ)

・歌はセミプロの久保田さんが指導してくれたためか、他の高校より盛り上がっていた。

・おりがみのツルが難しかった。

・装飾携帯電話は面白がっていた。

・あっち向いてホイも楽しんでいた。

2.日本語練習

「私は<名前>です。どうぞよろしく」「こんにちは」「ありがとう」「さようなら」

・楽しそうに学習していた。

・「どうぞよろしく」は発音が難しそうだった。

・キャラバンが終わった時「ありがとう」「さようなら」と言う高校生が大勢いた。

3.日本語学習体験談

①リム・プンロックの発表

・学習方法について

・学習についての感想

・日本語学習を通して成長したこと

・日系企業での仕事について

②ヴェン・ティエルンの発表

・日本語を勉強するきっかけについて

・スピーチコンテストの成功談について

・日本と日本人から学んだこと

③日本語学習体験談に対する高校生の反応

・興味を持ったようだった。

・熱心に聞いていた。

4.高校生/高校の先生からの質問とそれに対する答え

・奨学金はどうやったらもらえますか。

 - カンボジアメコン大学の奨学金がもらえるのは数学と英語と一般常識の試験を受けないといけない。RUPPでは奨学生は1年生から4年生までの間に1年に250ドルもらえる。それ以外に、勉強をがんばると日本へ研修旅行や留学のチャンスがある。

RUPPに入学するにはどうしたらいいですか。

- クメール語で一般常識についての試験を受けて、それに合格したら、面接を受ける。

・日本の生活、文化、農業、有名な場所について教えてください。

- みんな8時ぐらいから5時ぐらいまで働いています。カンボジアより朝は遅いです。日本の文化もいろいろありますが、健康的な食文化は世界的にも有名です。農業は米や野菜が中心に盛んに行われています。日本で有名な観光地は奈良、京都です。

5.全体的に良かった点、効果があったと思われる点

・日本の文化、生活、農業について教えることができた。

・日本語を勉強したいという高校生がいたので、効果はあったと思う。

・日本で技術を学びたいと考えている高校生もいた。

6.反省点、問題点

・事前チェックが十分でなく、コンピュータ・トラブルが発生し、時間がオーバーした

・スライドが見にくかった。(壁が黄色かったため。)

・遅れてきた学生は座る席がなかった。

7.その他のコメント

・全体的にスムーズにスケジュールをこなせた。時間はオーバーしたが内容は良かったと思う。

・歌が専門の久保田さんが参加してくれたおかげで、歌の指導がうまくいった。

チーム11 Preah Bat Norodom高校(2011/06/25)

☆メンバー

1.チーム・リーダー:スオス・チャンディナー(RUPP教師)

2.サブリーダー:ボイ・ソムニイアン(CJCC教師) 

3.学生代表(発表者1):カウ・ソティアロット(RUPP卒業生、韓国系企業勤務)

4.学生(発表者2):コイ・サット(RUPP学生) 

5.日本人:米澤千昌(RUPP教師)

6.学生アシスタント(高校出身者):メッチ・ソックメェン(RUPP学生)

7.その他:町田達也参事官(大使館)、以下RUPP学生:ソー・ソパリカ、ラ・セレイリアム、チョン・コンティア、シェン・チョムラウン、ケン・サオピアラー

☆訪問高校

Preah Bat Norodom High School

参加高校生数70

☆時間

出発時間: AM6:15 

高校到着時間:AM8:45

1.日本文化紹介

①折り紙(かぶと、ツル)   

②歌(あしたはわたしのたんじょうび)

③エリン(装飾携帯電話、あっちむいてホイ)

その他:写真(自走販売機、金閣寺、お城、千羽鶴)を見せて、少し紹介した

みんなとても楽しんでいた。特に、あっちむいてホイはみんな楽しんでいた。

折り紙は、少し時間がかかったが、みんな完成した時は嬉しそうだった。

少し時間が余ったので、急遽、日本の写真を見せて紹介した。これも、興味をもっているようだった。

2.日本語練習

「私は<名前>です。どうぞよろしく」「こんにちは」「ありがとう」「さようなら」

自己紹介は難しそうだったが、そのほかのあいさつはみんな覚えられたと思う。帰るときも、「さようなら」とあいさつをしてくれた子がいた。少し日本語に触れて、日本語を勉強したいと思った子が何人かいたようである。

3.日本語学習体験談

カウ・ソティアロットの発表

・日本語学習目的カンボジアではまだ日本語ができる人が少ないので、日本語が話せたら就職に有利

だと考えた。

・在学中研修など楽しいこともたくさんある。4年生になると、ビジネスと教育の2つの専攻にわかれ

て勉強できる。

・卒業後日本人と一緒に働いた。通訳。

・メッセージ:高校卒業後の専門を選ぶことが大切。

コイ・サットの発表

・日本語学習目的:戦後の日本の経済成長に関心、映画で日本語に触れて興味をもった。

・勉強の様子グループワークが多いので、グループで協力して活動ができるようになった

・将来の夢日本人と働きたい

③日本語学習体験談に対する高校生の反応

実際に日本語を勉強している先輩や、卒業して社会で活躍している先輩の話はとても興味を持って聞いていたと思う。

4.高校生/高校の先生からの質問とそれに対する答え

・貧乏な学生でも、日本語学科で勉強できますか。- できる。2つの奨学金システムがある。

 1.国から奨学金をもらう奨学生クラスがある。

 2.入試の結果により、日本の会社から奨学金がもらえる

・どうやったら日本語学科にはいれますか。- ①高校を卒業する ②入試を受ける(一般教養、クメール語) ③面接

・全く日本語を勉強したことのない人でも日本語学科に入ることができますか。- できる。日本語学科はゼロから教えているので大丈夫。参加したメンバーの中にも、ゼロから始めたメンバーがいると紹介。

5.全体的に良かった点、効果があったと思われる点

・日本語体験学習をし、プレイベンにも日本語学習機関を作ってほしいという学生がいた。日本語に興味を持ってもらえたのだと思う。

2時間はあっという間で、学生たちも一生懸命参加してくれたと思う。みんな日本に行きたいと言っていた。

6.反省点、問題点

・朝、バスが時間通りに来なかった。(原因:時間がうまく運転手に伝わっていなかった。)

・プロジェクターを移すのにちょうどいい場所がなく、少し見にくいが黒板に写すことになった。これも事前に確認できていたら、紙でスクリーンを作っていけたと思う。

7.その他のコメント


今回のプロジェクトの目的の「日本語や日本文化を広める」ことは、効果はあったと思う。

また、今カンボジアでは、日本語教師同士や、学習者とのつながりがあまりないように感じるが、今回のキャラバンを通して、そのつながりを強くすることができたと思う。

来年以降もぜひ、このキャラバンを続けてほしいと思う。

チーム10 AngAudeth高校(2011/06/25)

☆メンバー

1.チーム・リーダー:ヘン・ボレット(RUPP教師)

2.サブリーダー:メン・コンケア(CJL教師) 

3.学生代表(発表者1、卒業生):チュン・ディナー(RUPP卒、Dishell勤務)

4.学生(発表者2):リム・コックヘーン(CJL教師) 

5.日本人:宮島良子(CJL)、レイン幸代(CJL  

6.学生アシスタント(高校出身者):ウン チョウスーン(RUPP学生)

7.その他:福田智彦、スレイ・トゥーイ(RUPP)、CJL1年生20

☆訪問高校

AngAudeth High School

参加高校生数 100

☆時間

出発時間: AM7:00 

高校到着時間:AM8:30

1.日本文化紹介

①折り紙(かぶと、ツル)   

②歌(なだそうそう)

③エリン(装飾携帯電話、あっちむいてホイ)

高校生を巻き込んで乗せるというよりも、どちらかというとレクチャー形式で進めたので、高校生の反応は予想していたよりも少々おとなしめで、礼儀正しい印象を持った。だからといって、反応がなかったわけではなく、携帯電話の紹介のときには驚きの声が出ていたし、熱心に見ていた。

・高校生は楽しんでいて、興味を持っているようであった。皆の前で発表するのは、やりたい気持ちはあっても、勇気がなくてうまく言えないという感じであった。

・あっちむいてホイは、紹介という程度で、あまり高校生にさせなかったので、盛り上がりに欠けたのかもしれない。だか、盛り上がりすぎても時間が押してしまうので、これはこれでよかったようにも思う。ただ、じゃんけんをしているところが後ろに座っている高校生には見えにくかったので、もう少し工夫や練習が必要だったかもしれない。

・クメール語の歌詞がついたものが知られているということから選んだ「なだそうそう」は、メロディが耳に慣れているからか、とても早く覚えて歌えていた。

・折り紙は、もうひとつ教室を提供してもらい、2グループに分かれて教えた。CJLの学生ボランティアが分からなくて困っている高校生をフォローしてくれたこともあって、飲み込みが早く、みんなうまく折れていた。完成した兜をかぶる高校生もいたが、周りの様子をみて、恥ずかしがってか、すぐにとってしまっていたのが残念だった。でも、記念写真を撮るときには少し照れくさそうではあったが、みんなでかぶってくれた。

・メモを取っている高校生もいた。

2.日本語練習

「私は<名前>です。どうぞよろしく」「こんにちは」「ありがとう」「さようなら」

高校生は皆一緒に頑張って声を出して練習し、楽しんでいた。

・前の方に座っている高校生は積極的に覚えたばかりの日本語で話してくれた。

・後ろの方に座っている高校生たちは、ぼそぼそと小声で何度も繰り返していた。ただ、高校生の一人が前に出て日本語で自己紹介をしたものの、間違えてしまい、それをみんなに笑われてしまったため、それから、みんななんだか恥ずかしくなって、おとなしくなってしまったのかもしれない。

3.日本語学習体験談

チュン・ディナーの発表

・「あいうえお」から勉強することができる。

・日本へ行った経験について(日本の食べ物、技術)、日本へ行ける機会について。

・就職活動

・卒業後の進路(日系企業、工場など)

リム・コックヘーンの発表

・卒業後の進路

・大学のプログラム

・日本へ行った経験

・今の仕事について

③日本語学習体験談に対する高校生の反応

・日本に行ってみたいという声が聞かれた。

・とても興味を持っていた。

 

4.高校生/高校の先生からの質問とそれに対する答え

・高校生からの質問は1つしか出なかった。それは、どうやったら、プノンペン大学の日本語学科に入れるかという質問だった。-(ボレットさんが回答)クメール語で一般知識に関する試験がある。日本語のテストもあるが、試験の合否に影響はなく、それは、ただ、日本語能力を確認するためだけに行われる。

5.全体的に良かった点、効果があったと思われる点

・教室の広さが事前にはわからず、CJLの学生は外に出ていなければならないかと思ったが、会場となった教室の前の方には余裕があって、そこに入ることができた。また、さらに折り紙の際にはもう一つ教室を用意してくれたので、空間的にも余裕を持って取り組むことができた。CJLの学生があっち向いてホイや日本語会話の練習などのお手本や、折り紙のときの説明係などを行ったので、高校生側の人数が多くてもスムーズに活動ができたように思う。

・スライド等の準備が事前に余裕を持って作成されていて、よかった。

・多少時間は前後したものの、基本的には時間通りに進められた。

・日本や日本語に多少なりとも興味を持ってもらえたのではないかと思った。

・アシスタントもよく頑張った。

・高校の先生方からも、学生からも協力が得られてよかった。

6.反省点、問題点

・時間があれば、もう少し学生達自身が活動する、参加型のワークショップができればよかった。やや教師主導型になっていた。しかし、内容が盛りだくさんである今回の場合は、これでよかったように思う。

・質問があまり出なかった理由として、ひとつ考えられるのは、情報が十分に提供されていたので、これ以上聞きたいということが浮かばなかったのかもしれない。

・予想以上に参加者がいて、多めに持って行っていたアンケート用紙が足りなかった。

7.その他のコメント

・高校側にお土産や、日本語を積極的に話した高校生にちょっとした景品などをあげるともっと盛り上がるのではないかと思った。

・お菓子等があったらよかったと思う。

・お昼ご飯は、CJLの講師がお金を出して、CJL1年生が作って来たお弁当をみんなで食べた。